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招かれざるものたち~イトタヌキモ編

記事Jul.11th,2018
May 27th,2020
いつの間にかビオトープに現れる水草、イトタヌキモについて。

“イトタヌキモ”とは?

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いつの間にかビオトープに現れる水草の正体

アクアリウムやビオトープをしていると知らないうちにひょろひょろとした糸のような細長い水草が飼育容器の中で成長していることがあるかもしれません。一見すると葉が落ちてしまったマツモのようにも見える水草はイトタヌキモといいます。

ビオトープに生えたイトタヌキモ
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イトタヌキモとは?

イトタヌキモはタヌキモ科に属する水草で、ミカワタヌキモとも呼ばれます。日本では関東より西に自生します。Y字状に枝分かれする細い茎を持ち、葉は小さくまばらについています。通常は浅い水底の泥の上に絡み合いながらカーペット状に広がるようにして成長し、泥の中にも根の代わりとなる地中葉を伸ばして泥の上に固着します。水深が深いところでは浮遊して成長することもあります。

イトタヌキモの最大の特徴は食虫植物であるということで、ミジンコなどの水中の微生物を捕らえるための捕虫嚢をまばらにつけます。

ビオトープに生えたイトタヌキモ

“イトタヌキモ”の駆除

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忌み嫌われるイトタヌキモ

興味深い生態を持つイトタヌキモですがアクアリウム界隈では忌み嫌われています。

イトタヌキモは繁殖力が強く、他の水草に絡むようにしてどんどん成長していきます。厄介なことに、名前の通り糸のように細いイトタヌキモは取り除こうとすると簡単にちぎれてしまい、水中に散らばってしまいます。残ったわずかな破片からまた成長していくことから根絶に手間がかかり、いつの間にかまた成長していろいろなものに絡み付いていることがイトタヌキモが厄介者扱いされる所以です。

マツモに絡んだイトタヌキモ
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イトタヌキモの侵入経路

前述の通りイトタヌキモはわずかな破片から成長して増えることができます。このような破片が購入した水草に付着していたり、購入した生き物が入っていた水に混入していることで持ち込まれます。

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イトタヌキモの駆除方法

イトタヌキモだけを選んで枯らす薬剤やイトタヌキモだけを選んで食べてくれる生き物はいません。なので駆除するには手作業で取り除いていくしかありません。

細いイトタヌキモは簡単にはバラバラになってしまうため慎重に取り除く必要があります。ホースなどで水ごと吸い出しながら除去するのも効果的です。

“イトタヌキモ”の栽培

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イトタヌキモを栽培する

ここまでイトタヌキモを悪者扱いしてきましたが、初めから育てるのであればそれほどに悪くないかもしれません。

成長していくとマット状に広がっていきますのでウィローモスなどの普通の水草に飽きたというならそれなりに魅力的な水草になるでしょう。イトタヌキモはうまく育つと水面上に黄色い花をたくさん咲かせます。イトタヌキモは通販などで入手することもできます。

とはいえ、他の水草を入れると絡みつきますし、別のイトタヌキモを栽培していない飼育容器に混入しないように十分注意する必要があります。

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