“ホテイアオイ”とは?
基本情報
大きさ
通常は手のひらに乗る程度の大きさで、育つと水面から10cm程度立ち上がります。
栄養状態が良いと巨大化して最大で150cmにもなることがあります。巨大化すると丸く浮き袋状だった葉柄は細長く伸びて見た目の印象がかなり変わります。
栽培時期
暖かくなった5月ごろからが栽培を始めるのに最適な季節になり、ホームセンターの園芸コーナーなどにも並ぶようになります。涼しくなりはじめる10月ごろまでが栽培できる時期で寒くなると枯れます。
花
開花期は7月~9月ごろです。朝に咲いた花は夕方にはしぼんでしまいますが、一株が数個から十数個の花を咲かせます。
耐寒性
ホテイアオイは熱帯の南アメリカ原産のため耐寒性はありません。気温が5~10°Cになると枯れます。
耐暑性
暑さには強く、気温が上がると生育が活発になります。
栽培環境
増やし方
ホテイアオイは元気に成長しているとストロンと呼ばれる茎のようなものを出し、その先に子株を作ります。子株はストロンを通じて親株から栄養をもらって育ちますが、やがて自分の根で水中の栄養を吸収するようになります。ストロンは不要になると自然に切れますが、はさみなどで切っても大丈夫です。気温が低い時期は成長が遅くなかなか子株が増えませんが、暖かくなってきて、日当たりが十分あればこうやって次々と子株を出して増えていきます。
花が咲き終わった後、花茎は曲がって先端を水中につっこみます。果実は水中で成長、熟した果実はいずれ水中に種をばらまきます。種は水中で土に根を下ろして成長し、成長すると浮袋をつけて水面を漂うようになります。ただし、種からの栽培は一般的ではありません。
栽培の春夏秋冬
その他
外来種のホテイアオイ
日本でも湖や沼、ため池などで見かけることがあるホテイアオイですが、本来は南アメリカが原産です。明治時代に観賞用として日本へ持ち込まれ、逸出したものが本州以南で野生化しています。耐寒性がないことから冬になるとその多くが枯死して悪臭を放ち、残ったわずかな株から再び大繁殖して水面を埋め尽くすことから各地で問題となっています。
また、ホテイアオイはその繁殖力の強さで世界中へ分布を広げ、水面を覆い尽くして水上の交通を妨げ、漁業に悪影響を及ぼしたり、水中の光が届かなくなった水草を枯死させたりすることから“青い悪魔”などと呼ばれています。
特定外来種には指定されていないので栽培は規制されていませんが、生態系被害防止外来種リストで重点対策外来種として指定されています。放流や遺棄、逸出は生態系に悪影響を及ぼすので十分に注意しなければいけません。