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ベランダビオトープをつくる

記事May 3rd,2018
May 27th,2020
ベランダビオトープは殺風景なベランダを彩り、そこに泳ぐメダカを眺めていると癒しにもなります。そんなベランダビオトープをプランターを使って簡単につくる方法を紹介します。
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メダカが泳ぐビオトープをベランダにつくる

ベランダビオトープは殺風景なベランダを彩り、そこに泳ぐメダカを眺めていると癒しにもなります。そんなベランダビオトープをプランターを使って簡単に作る方法について紹介します。

つくる時期

暖かくなり、ホームセンターの園芸コーナーなどにも水生植物多く並んでいて手に入りやすい春から初夏にかけてがベランダビオトープを作るのに最適な季節です。水温が一定の屋内の水槽で飼育されてきたメダカなどの生き物を屋外の環境に適応させるのも暑くも寒くもない春から初夏にかけての時期が最適です。

とはいえ、ほかの季節には絶対にベランダビオトープを作れないというわけではなく、水生植物は通販で年中入手することができますし、十分に注意すれば生き物をベランダビオトープに導入することもできます。

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Step1~容器を選ぶ

まずはベランダビオトープにする容器を選びます。見た目や設置場所の広さを考えて選びます。今回は園芸用の樽型プランターを使用します。

たくさんの種類のプランターが販売されていますが、水をためるために穴をふさぐ必要があることを考えて選びます。穴がたくさんあるプランターは穴をふさぐのが大変です。

置き場所は適度に日当たりがある場所で安定した場所を選びます。植物の育成には日光が必要ですし、メダカにとっても太陽光は大事です。また、水をためたビオトープは重くなりますので安定した場所に置かないと倒れてしまったりするかもしれません。ベランダの場合は耐荷重量に気を付けないといけません。

今回は園芸用の樽型プランターを使用します。汚れや菌、薬品などが付着している可能性があるので、これらを洗浄しておきます。洗剤は残ると生き物に悪影響を与えるので使用しません。

ビオトープにする樽型プランター

穴が一つのプランターにはたいてい底のネットに穴をふさげる栓がついていますのでこれを取り外して使用します。

排水用の穴
鉢底ネットについている栓

園芸用として使用する場合は外側から栓をするのですが、水をためると水圧で抜けてしまうので内側から栓をします。

内側からみた栓をした穴
外側からみた栓をした穴
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Step2~水生植物を入れる

ベランダビオトープに植える水生植物を用意します。水生植物は5月から夏頃まで園芸店などで入手することができます。屋内の水槽では水面から大きく出るような抽水植物は栽培しづらいですが、ベランダビオトープであれば栽培できます。一年中屋外で管理できるものが良いでしょう。あとは見た目や花が咲くかなど好みで選んでくさい。

今回はスイレンと茶碗ハスを用意しました。

購入した状態のスイレン
スイレン
購入した状態の茶碗ハス
茶碗ハス

水生植物の植え方は2通りあります。

水生植物を直接ビオトープに植える
植物を植えられるスペースが広くより自然に近い形に見えます。植物がビオトープ全体に根を張ってしまうこともあり、植え替えなどに手間がかかります。また、根を張れる程度の厚さに土を敷かないといけないので必要な土の量が多くなります。
水生植物を鉢に植えてそれをビオトープに置く
自然感はやや損なわれてしまいますが、植物の植え替えなどの管理が楽です。また、ビオトープ全体に植物が根を張るための土を敷かなくて良いので使用する土の量も少なくて済みます。繁殖力が強い植物がどんどん広がるのを防ぐこともできます。

スイレンと茶碗ハスを鉢に植えてビオトープに置きます。

植木鉢
鉢に植え替えたハスと茶碗ハス
ビオトープに置いたスイレンと茶碗ハス
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Step3~土を敷く

水生植物を鉢に植える場合容器自体には土を敷かない方法もありますが、今回は水質の安定などを考えて土を敷くことにしました。

ベランダビオトープの土は赤玉土や荒木田土が定番ですが、今回は赤玉土を使用します。赤玉土は園芸店で簡単に比較的安価に入手できます。赤玉土はそれ自体に栄養が含まれるものではありませんが、多孔質でたくさんのバクテリアを棲みつかせることができるので水質を安定させる効果が期待できます。

園芸用に販売されている赤玉土

ベランダビオトープの底に赤玉土を敷きます。鉢の下に土を敷くと鉢が安定しなくなるので鉢の周りに敷きます。

赤玉土を敷いたビオトープ

鉢底ネットの上から土を敷いても鉢底ネットを取り除いて直接土を敷いても大丈夫です。

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Step4~水を入れる

ある程度出来上がってきたら水を入れます。水道水に含まれる塩素は数日すれば自然に蒸発してなくなりますので、カルキ抜きした水である必要はありません。

水を入れたばかりのビオトープ

勢いよく水を入れると土が舞い上がって水が濁りますので徐々に水を入れます。それでも濁りますが一日置けば水が透き通って底が見えるようになります。水面に浮かぶゴミはネットなどを使って取り除きます。

水を入れて1日たったビオトープ

水を入れたばかりのベランダビオトープにはろ過バクテリアが繁殖しておらず生物ろ過が機能していないません。なので、水道水中のカルキが抜け、さらに水中のバクテリアが増えるまで1~2週間待ちます。

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Step5~水草を入れる

水草は水中に余計に含まれる栄養分を吸収し、光合成で酸素を生みます。また、メダカなどの生き物の隠れ場所や産卵場所にもなります。水生植物と同様一年中屋外で管理できるものが良いでしょう。水草の種類によってはカルキによって痛むものもありますので、カルキが抜けるのを待ってから入れてください。

今回はアナカリスとホテイアオイを入れます。

アナカリスはオオカナダモという名でよく知られます。マツモと同様金魚藻として人気の水草です。育成が容易で耐寒性もあるので屋外で冬を越すことができます。

アナカリス

アナカリスは水中に浮かべるだけでも大丈夫ですが、土に植え付ければ根付きます。

ビオトープに植えたアナカリス
アナカリスを植えたビオトープ

ホテイアオイはベランダビオトープでは定番の水草で夏にはきれいな花を咲かせます。また、メダカの産卵床としても最適です。

ホテイアオイ

ホテイアオイは熱帯の植物なので外で冬を越すことができません。また、育成には十分な太陽光が必要なため屋内でも冬を越すのは困難です。比較的安価で園芸店などで容易に入手できますのでワンシーズンだけの消耗品として割り切るのも良いかもしれません。

ビオトープに浮かべたホテイアオイ
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Step6~生き物を入れる

いよいよ最終段階で、ベランダビオトープに棲むことになる生き物を入れます。もともと日本に生息していて屋外の環境でも生きていける生き物が最適です。

今回はベランダビオトープの定番であるメダカとミナミヌマエビを入れます。

メダカはもともと日本に生息するので寒さや暑さにも強く丈夫でそれほど飼育の難易度が高くないのでビオトープには最適です。さまざまな改良品種も生み出されており選ぶ楽しみもあります。今回はいちばんポピュラーなヒメダカを選びました。

購入したヒメダカ

ミナミヌマエビはコケや餌の食べ残し、死んでしまった生き物などを食べてくれるベランダビオトープの掃除屋です。

水生植物や水草の栽培に農薬が使用されている場合があります。魚には無害な場合が多いですがエビには害となる可能性があるので不安な場合は水生植物や水草の購入時に確認するか薬剤などを使用して農薬を除去します。

購入したミナミヌマエビ

生き物をベランダビオトープに入れるときは水合わせをします。

まず、購入時に生き物が入れられている袋のままベランダビオトープに30分程度浮かべて温度を合わせます。そのあと、袋の水を5分の1ほど捨てて捨てた分だけベランダビオトープの水を袋に入れます。これを10分おきに5回ほど繰り返して徐々に袋の中とベランダビオトープの水質を合わせます。水合わせが済んだら袋の中の生き物だけをベランダビオトープに移します。

ベランダビオトープに浮かべたメダカ

出来立てのベランダビオトープはまだ水質が安定しづらいので生き物の数は少なめにし、1~2か月過ぎて水質が安定してきたら徐々に増やしていきます。ただ、増やしすぎは水が汚れたり、水中の酸素が足りなくなったりしますので気を付けましょう。メダカであれば水量1リットル当たり1匹が目安です。

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Step7~完成

完成です。

生き物を入れたビオトープ

すぐには環境が安定しづらいので生き物の様子はしばらくよく観察する必要があります。大量に生き物が死んでしまう場合は何か問題があるはずです。

ビオトープを泳ぐヒメダカ

できたばかりのベランダビオトープには餌となる微生物や虫が少ないので不足しているようであれば餌やりをします。与えすぎは水を汚してしまうので食べ残しに注意して少量ずつ与えます。

餌を食べるヒメダカ

最初はろ過バクテリアがまだ少ないので水が汚れやすくなります。2週間ほどは数日に一度水量の3分の1ほどを水換えすると良いでしょう。水換えにはカルキ抜きした水を使用します。ただし、あまり多く水替えをすると水質が変わったり、せっかく繁殖したバクテリアがいなくなってしまいますので気を付けます。

茶碗ハスの根本を泳ぐヒメダカ
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半月後...

2週間ほどたてばベランダビオトープの環境が安定してきますのでそれほど手間をかけて管理する必要がなくなります。植えた植物も成長してきました。

完成して半月後のビオトープ
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