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避けて通れない水合わせの方法

記事May 19th,2018
June 4th,2020
メダカなどの観賞魚を飼育する上で避けて通れない水合わせについて。

“水合わせ”とは?

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“水合わせ”とは?

水合わせ”とはメダカなどの観賞魚をもともと入っている水から別の水に移す時に水温と水質を合わせ、移動先の水に慣らす作業の事です。

水に棲む生き物にとって水は人間にとっての空気のようなもので、人間が急な温度変化でストレスを感じたり、体調を崩したりするのと同じように、人間よりも繊細な魚にとっては水温や水質の変化が大きなダメージとなる場合があります。このダメージを緩和するために“水合わせ”をします。

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水合わせの必要性

メダカなど、ある程度幅広い水温や水質に適応することができる魚もいます。しかし、これは穏やかに変化していった場合のことで、急に水温や水質が変化すると体調を崩してしまう恐れがあります。また、生き物が水質や水温の変化によってダメージを受けてしまった場合、生き物がすぐに死んでしまうこともありますし、受けたダメージの影響で時間がたってから死んでしまうこともあります。エビなどのより繊細な生き物の場合は些細な水温と水質の変化によって死んでしまうこともあります。

なので、新たに購入した生き物を飼育容器に入れる時や、飼育容器間を引っ越しさせる時には水合わせを行うことで徐々に水の違いに慣らしていく必要があります。

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水合わせのポイント

水質を合わせる

水質は主に液性を測る“pH”で表されます。急にpHが違う水に生き物を入れた場合“pHショック”と呼ばれるショック状態になります。苦しむように激しく泳ぎまわったり、じっとして動かないのにエラだけを激しく動かして呼吸をしている場合はpHショックを起こしている可能性が高いです。このショック状態は致命的なダメージになります。

水質にはpHだけでなく“硬度”などのほかの要素も関係しますが、水合わせをして水質に慣れさせればショック状態になるのを防ぐことができます。

水温を合わせる

水温が大きく違う水に生き物を入れた場合もショック状態になる可能性があります。水に棲む生き物は人間よりも温度の変化に敏感で、人間があまり気にしない2~3度の温度の違いでも負担になります。ショック状態にならなくても体調を崩して後々病気になる原因にもなりますので水合わせをして水温に慣らすことも重要です。

適した環境を確認しておく

メダカやエビなど、生き物によって飼育に適した環境が異なります。飼育容器内の水の水質や水温がその生き物が適応できるものでない場合にはいくら慎重に水合わせをしたところで生きていくことができません。必ずその生き物が適した水質(pHや硬度)と水温を事前に確認しておきます。

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水合わせの方法

水合わせの方法で代表的なものは2種類あります。

浮かべ法
飼育水にビニール袋などに入れた生き物を浮かべて行う方法。
点滴法
生き物をバケツなどに入れてそこに飼育水を点滴のようにして徐々に入れて水合わせを行う方法。

“水合わせ”の方法

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浮かべ法

“浮かべ法”とは?

浮かべ法”はもっとも一般的な水合わせの方法で、生き物をもともと入っていた水とともにビニール袋や薄いプラスチック容器などに入れて、それを新たに入れる飼育容器の水に浮かべて水合わせする方法です。

熱帯魚店やペットショップで魚やエビ、貝などの生き物を購入すると通常ビニール袋に水とともに入れられた状態で連れて帰ることになりますし、通販で購入した場合も同様の状態で届くのが一般的なので、この袋を使って水合わせをします。新たに購入した生き物でなくてビニール袋がない場合はプラスチックの容器やカップなどで代用できます。この場合ある程度大きく、薄く温度が伝わるものが良いです。

必要な道具が少なくて済みますが繊細な生き物の水合わせには手間がかかりますので、その場合は点滴法の方が適しています。

“浮かべ法”のやり方

Step1~プラスチック容器に生き物を入れる
生き物をその生き物がもともと入っていた水とともにプラスチック容器やビニール袋に入れます。新たに購入した生き物の場合は最初からこの状態です。
Step2~新しく入れる飼育水に浮かべる
プラスチック容器のまま新しく生き物を入れる飼育水に浮かべます。
Step3~水温を合わせる
30分ほどそのまま浮かべておくとプラスチック容器の中と飼育水の水温が同じになります。
Step4~水質を合わせる
プラスチック容器の水を5分の1ほど捨てて捨てた分だけ飼育水をプラスチック容器の中に入れます。プラスチック容器を飼育水に浮かべたまま10分ほど待ちます。
Step5~繰り返す
Step4”を5回ほど繰り返します。こうすることで徐々にプラスチック容器の中の水質は飼育水の水質に近づいていきます。
Step6~生き物を飼育水に入れる
プラスチック容器の中の生き物を飼育水に入れます。もともと自分で管理している別の飼育容器から生き物を移動させる場合にはさほど問題はありませんが、新たに購入した生き物の場合にはその生き物がもともと入っていた水に病原菌や寄生虫、スネールなどが混入している可能性があるので、飼育容器に入れず捨ててしまった方が良いです。
Step7~完了
これで水合わせは完了です。
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点滴法

“点滴法”とは?

点滴法”はエアチューブなどを使用して点滴のように少しずつ水質を合わせる水合わせの方法です。一般的なエアレーション用のエアチューブさえあれば可能ですが、点滴法用の水合わせキットも販売されていますので用意しておくと便利です。

必要な道具は浮かべ法に比べて多くなりますが、より慎重に水合わせをしたい場合には点滴法の方が適しています。

“点滴法”のやり方

Step1~水温を合わせる
浮かべ法”の“Step1”から“Step3”までと同じです。冬などに気温と水温が大きく違う場合には時間をかけて水合わせをするとまた水温の差ができてしまうのでヒーターと水温計を使用して水温を管理します。
Step2~生き物をバケツに移す
生き物をもともと入っていた水とともにバケツなどの大きな容器に移します。水の量は多くてもバケツの容量の半分以下になるようにします。水の量が多いと水合わせに時間がかかりますし、使用しないといけない飼育水の量も多くなります。
Step3~飼育水を滴下する
エアチューブを使用して飼育水が1秒に1~3滴程度の流量で徐々にバケツの中に入れます。コックを付ければ簡単に流量を調整できますし、なければ洗濯ばさみなどでチューブを挟んで調整します。
Step4~水質を合わせる
30分から60分程度待ちます。
Step5~生き物を飼育水に入れる
プラスチック容器の中の生き物を飼育水に入れます。もともと自分で管理している別の飼育容器から生き物を移動させる場合にはさほど問題はありませんが、新たに購入した生き物の場合にはその生き物がもともと入っていた水に病原菌や寄生虫、スネールなどが混入している可能性があるので、飼育容器に入れず捨ててしまった方が良いです。
Step6~完了
これで水合わせは完了です。
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