このウェブサイトはご利用の端末での閲覧に対応していません。
This website does not support your device.

生物濾過と濾過バクテリア

記事May 19th,2018
May 31st,2020
メダカなどの観賞魚を飼育する上で重要な生物濾過とそれに関わる濾過バクテリアについて。

“濾過”とは?

#

濾過とは?

メダカなどの観賞魚を飼育するとき、水を生き物を飼育するのに適した状態にすることを濾過(ろ過)と呼びます。適切に濾過が行われることで飼育している生き物の健康を保ち長生きさせることができます。

#

濾過の種類

濾過には3種類あります。

物理濾過
フィルターを使用して水草の切れ端や餌の残りなど水中のゴミを絡め取ります。水に溶け込んだ物質は除去できません。
化学濾過
活性炭やゼオライトなどで水に含まれる有害物質などの汚れを吸着して取り除きます。吸着ろ過とも呼ばれます。
生物濾過
バクテリアの働きによって水に含まれる有害物質などの汚れを取り除きます。

飼育水が透明だからといってきれいな水だとは限りません。実際のところ物理濾過を省略して、水が濁っていたり茶色くても見た目は悪いですが生き物が生きる上ではそれほど問題はありません。それよりも水に有毒物質が含まれないことが重要で、それらの目に見えない物質を取り除くが生物濾過がとても重要です。

有害物質の除去は化学濾過でもできますが、吸着できる物質の種類がフィルターの素材によって限られるうえ、吸着できる量にも限りがあるので定期的に交換しなければなりません。生物濾過であれば有害物質の多くを除去することができますので化学濾過は補助的に使用する場合が多いです。

“生物濾過”と“濾過バクテリア”

#

生物濾過とは?

生物濾過とはバクテリアの働きによって水に含まれる有害物質などの汚れを取り除く濾過の方法です。観賞魚の容器内では排泄物や餌の食べ残しなどからアンモニアが発生しています。アンモニアは強力な毒性を持ち、水中にアンモニアが溜まっていくと生き物が棲むことができない環境になります。このアンモニアを無害化するのが生物濾過の大きな役割です。

物理濾過化学濾過にはフィルターが必要になりますが、生物濾過には必ずしも必要ありません。

#

生物濾過の流れ

生物濾過は以下のような流れで行われます。

Step1~アンモニアが発生する
生き物の排泄物、腐敗した餌の食べ残しや水草の枯葉などからアンモニアが発生します。
Step2~バクテリアがアンモニアを亜硝酸に変える
アンモニアをニトロソモナスというバクテリアが分解してアンモニアより毒素が弱い亜硝酸に変えます。
Step3~バクテリアが亜硝酸を硝酸塩に変える
亜硝酸をニトロスピラというバクテリアが分解してより毒素が弱い硝酸塩に変えます。

この流れを硝化と呼びます。また、これに関わるニトロソモナスニトロスピラといったバクテリアを濾過バクテリアと呼びます。

濾過バクテリアを増やすことが生物濾過を機能させることになります。

#

濾過バクテリア

好気性細菌と嫌気性細菌

飼育容器内で繁殖するバクテリアには“好気性細菌”と“嫌気性細菌”があります。

好気性細菌”は酸素を好む細菌です。活動や増殖するために酸素を必要とします。

嫌気性細菌”は酸素を好まない細菌です。

濾過バクテリアは“好気性細菌”です。なので生物濾過を働かせるためには水中に溶け込んだ酸素が必要になります。

濾過バクテリアが棲む場所

濾過バクテリアは水中にも少なからず浮遊していますが、そのほとんどは物の表面に定着し、繁殖します。フィルターの濾材、水槽のガラス面や底に敷いた砂利などどこにでも濾過バクテリアは棲みつきます。濾過バクテリアは空気中にどこにでも存在するので水を溜めておけば自然に棲みついて繁殖し始めます。

濾過バクテリアを増やすには?

フィルターを設置する

フィルターは水中のゴミを絡め取る物理濾過だけでなく濾過バクテリアをフィルター内に棲みつかせることによって生物濾過も行います。スポンジや多孔質の濾材は表面積が大きく濾過バクテリアを多量に定着させることができます。

底床を敷く

底床に砂利などを敷くことによって飼育容器の表面積が増え、濾過バクテリアが棲みつく場所を増やすことができます。それにより定着する濾過バクテリアも増えます。

エアレーションをする

濾過バクテリアの活動には酸素が必要なのでエアレーションによって水中に溶け込む酸素の量を増やすことで濾過バクテリアの活動を活発にできます。

水を循環させる

水を循環させるとバクテリアが分解するアンモニアや亜硝酸がいきわたり濾過バクテリアの活動を活発にできます。

水道水と濾過バクテリア

水道水には殺菌・消毒用に塩素が含まれています。この塩素は飼育している生き物にとっても有毒ですが、生物濾過を行う濾過バクテリアも死滅させてしまいます。そのため水道水を飼育水にするときはもちろんですが、フィルターや砂利など飼育容器内の物を洗う際にもそこに定着した濾過バクテリアを失わないようカルキ抜きした水を使用する必要があります。

“生物濾過”を機能させる

#

生物濾過が機能するまで

新しくはじめた飼育容器には濾過バクテリアが全くいないので水質を安定させるには濾過バクテリアを繁殖させて生物濾過を機能させる必要があります。生物濾過が機能していない飼育容器に生き物を入れると見た目は水がきれいなように見えますが、あっという間にアンモニアに満たされて生き物が生きられない水になってしまいます。

新しく飼育容器をはじめる“立ち上げ”と呼ばれる作業は、生物濾過を機能ための作業でもあります。

Step1~飼育容器をセットする
必要な用品を用意してセットします。飼育容器に底床を敷き、水草の植え付けなどをして水を入れます。カルキ抜きしていない水でも大丈夫ですが、その場合は1日カルキが抜けるのに待つ必要があります。
Step2~濾過バクテリアが定着し始めるのを待つ
この状態では濾過バクテリアが全くいないので濾過バクテリアが定着し始めるのを待つため1週間ほど生き物を入れずに待ちます。濾過バクテリアは空気中にどこにでもいるもので水を溜めておけば自然に発生します。フィルターやエアレーションを設置する場合はこの段階から稼働させます。
Step3~生き物を数匹入れる
濾過バクテリアの活動を活発にするには生き物の排泄物からできるアンモニアが必要になりますのでその発生源となる生き物を入れます。まだ生物濾過が安定していないのでこの段階で入れた生き物は通常よりも死んでしまうリスクが高いことに気を付ける必要があります。水が汚れやすいので餌やりは控えめにし、3日に一度程度飼育水の3分の1程度を新しくする水換えをします。また、生き物を入れるときは水合わせして入れます。

水合わせ”は観賞魚などの生き物を今までと違う水槽に入れる時に水温と水質を合わせる作業の事です。急激な環境の変化は生き物にダメージを与え、最悪死んでしまうこともあります。

Step4~生物濾過が安定するのを待つ
アンモニアを分解するバクテリアが繁殖し始め、水中の亜硝酸が増えてきます。これによって亜硝酸を分解するバクテリアが繁殖し始めます。
Step5~生き物を増やす
2~3週間たつと生物濾過が安定し始め、アンモニアによって生き物が死んでしまうリスクが減るので徐々に生き物を増やすことができます。水換えは1週間に一度飼育水の3分の1程度を新しくします。
Step6~生物濾過が安定する
さらに2~3週間たつと生物濾過が安定します。生物濾過が安定してもそれによって生じる硝酸塩を取り除く必要があるので2~3週間に一度飼育水の3分の1程度を水換えして新しくします。

すでに生き物を飼育している別の容器がある場合は、ここから濾過バクテリアがすでに繁殖している水、フィルターの濾材や底床を持ってくることによってこの過程を短縮することができます。

#

生物濾過の後に残る硝酸塩

硝酸塩が残るということ

生物濾過によって生じる硝酸塩はアンモニアと比較して毒素は弱いですがそれでも水中に溜まって濃度が上がっていくと有毒で生き物に悪影響を与えます。通常の濾過方法では硝酸塩は取り除くことができないので何らかの方法で取り除く必要があります。

硝酸塩を除去する方法

水換えで排出する

もっとも簡単で一般的な方法は水換えをして飼育容器の外に出してしまう方法です。飼育水を一部捨てて新たな水を入れることで硝酸塩の濃度を下げることができます。一度に飼育容器内のほとんどの水を換えてしまうと水質が変わってしまい、繁殖している濾過バクテリアが死滅してしまう原因になるので、換える水の量は飼育容器の水の3分の1程度、多くても半分までにします。一般的に生物濾過が機能している屋内の水槽の水換えの頻度は2~3週間に一度必要と言われています。

植物に吸収してもらう

水草などの植物は水中の硝酸塩を肥料として吸収します。ただし、通常水槽内で育成する水草では吸収できる硝酸塩の量はあまり多くありません。

脱窒菌の働きで分解する

脱窒菌は硝酸塩を分解して窒素に変え、窒素が空気中へ逃げていきます。この働きによって水中に含まれる硝酸塩を取り除くことができます。ただし、脱窒菌嫌気性細菌で“好気性細菌”の濾過バクテリアとは繁殖のさせ方が異なります。また、維持するのも難しいです。嫌気性細菌には有毒の硫化水素が発生させる悪性のバクテリアもいますので注意が必要です。

#

屋外での飼育

屋外の飼育では生物濾過の働きが活発になります。それに加えて硝酸塩を吸収する植物の活動も活発になり自然と小さな生態系のようなものが整います。なのでベランダビオトープでは屋内の水槽での飼育に比べて水換えの頻度が少なくて済みますし、環境によってはほとんど水換えせずに飼育することも可能です。

ベランダで生き物を飼育するベランダビオトープについてはこちら。
ベランダビオトープとは?

屋外でのメダカの飼育についてはこちら。
メダカの屋外飼育

how to biotop
records of biotop
一番上へ
トップにもどる
シェアする
シェアする
Facebookでシェアする
ツイート
Google+でシェア
Pocket
はてなブックマーク