ベランダビオトープづくりに必要なもの
容器
容器の選び方
ある程度の量の水をためることができる容器で水に塗料や薬品などが溶け出さないものであれば何でもビオトープにすることができます。設置スペースや見た目の印象などを考えて選ぶと良いですが、ポイントは大きさと耐久性です。
容器に入れられる水の量が多ければ多いほどベランダビオトープの環境は安定しやすくなります。しかし、ベランダの場合は無制限に重量物を置けるわけではなく、あまりにも大きな容器に水を溜めるとベランダが崩壊してしまう危険があるので注意が必要です。さらに、マンションの場合は建物の修繕工事などで一時的にベランダから移動させなければならなくなる場合もあるので考慮した方が良いでしょう。
容器を選ぶにあたっては容器の水深よりも水面の広さを重視した方が良いです。水面が広ければ広いほど水面から溶け込む酸素が増えるので多くの生き物を飼育することができます。しかし、浅すぎると冬に水が全部凍ってしまう可能性が高まりますのである程度の深さは必要です。
日当たりが良いベランダは特にプラスチック製の容器にとっては過酷な環境になります。さらに、水を溜めると容器にはかなりの負荷がかかりますので耐久性にも注意する必要があります。
底床
底床の選び方
容器の底に敷く土や砂利のことを“底床”と呼びます。底床は必ず必要なものではありませんが、水の汚れを浄化するバクテリアの住処になり、水質を安定させる作用があるのであった方が良いでしょう。また、容器の底がそのまま見えるより底床で隠れている方が見た目も良くなります。
水中に浮遊するタイプの水草だけを栽培する場合や、水生植物を鉢植えにして栽培する場合は選択肢が広くなりますが、直接底床に植物を植え付けたい場合は土を選ぶ必要があります。
屋内の水槽で使用されるような砂利や砂も使用することができますが、ビオトープでは赤玉土や荒木田土が定番です。どちらもホームセンターなどで容易に入手することができます。
赤玉土
赤玉土は関東ローム層から採集される火山灰土で、古くから園芸にしようされる粒状の用土です。養分は含まれていませんが、多孔質でたくさんのバクテリアを棲みつかせることができるので水質を安定させる効果が期待できます。安価で園芸用土なので園芸店やホームセンターの園芸コーナーなどで簡単に手に入ります。
古くなると粒がボロボロに崩れてしまいますので、効果を持続させるためには入れ替えが必要になります。やや値が張りますが焼き固めて崩れにくくした焼赤玉土もあります。
また、赤玉土を入れていると水がやや酸性に傾きます。メダカやヌマエビなどを飼育する上では大きな問題はありませんが、タニシなどの貝を飼育する場合は水質を調整した方が良いです。
大磯砂
大磯砂は水槽の底床として広く使用される砂利です。大磯海岸で採集されていたことが名前の由来ですが、今では採集が禁止されているのでほとんどが輸入されたものです。
川砂利のような自然な色合いであり、和風なビオトープには最適です。粒の大きさは大粒から小粒まであり、均一な大きさのものや混ざっているものもあります。比較的安価であり、園芸用としても販売されています。
長年使い続けることができ、掃除もしやすいですが、土ほど水質を安定させる効果は期待できません。また、植物を直接植え付けることは難しいので別に鉢などに植え付ける必要があります。
海岸から採取される砂利なので混入している貝殻やサンゴによって水はややアルカリ性に傾きます。水草の多くは弱酸性の水質を好むので育ちが悪くなる場合があります。